事件イメージ事件の背後に潜むギャンブル依存

ギャンブルによって実際に引き起こされる事件は実数としての公表こそありませんが、警察庁の犯罪統計による「日本における業務上横領罪の件数」と、国民生活センターによる「多重債務問題の現状と対応に関する調査研究」のデータを元に推察した記事がありましたのでご紹介したいと思います。

年間100億円横領、ギャンブル依存症という底なし沼

http://news.goo.ne.jp/article/jbpress/bizskills/jbpress-44683.html

この記事によりますと、日本で起きているギャンブル依存症を原因とする横領・着服は年間で「223件」、損害額は100億円を上回るという推計となっています。

また、経済犯罪以外にも多くの犯罪の背景にギャンブル依存が潜んでいます。

記憶に新しい物では2015年9月に愛知県でおきた元従業員によるラーメン店強盗殺人。犯人は「ギャンブルで借金があり、金に困っていた」という供述しており、ギャンブル依存症とみて間違いないでしょう。

そして2014年7月に発覚した「ベネッセ顧客情報流出事件」です。ニュースやワイドショーでもかなり取り上げられていたので覚えている方も多いと思います。犯人は顧客データベースの管理業務を委託された外部の業者の派遣社員でした。ギャンブルで借金を重ね、金銭に窮するようになり、1年で計20回も顧客データを売却していました。

赤ちゃんポストを利用した卑劣な事件もありました。

熊本市の慈恵病院に設置してある、やむを得ない理由がある親から子供を預かることを目的とした「こうのとりのゆりかご」俗に言う「赤ちゃんポスト」での事件です。

こちらの赤ちゃんポスト、預かる子供は新生児であることを前提としていましたが、2007年5月に当時3歳の男児がポストに入れられていたことがニュースになりました。

男児を預けたのは伯父にあたる男で、2004年に男児の母親が事故死した後、母親の実兄であるこの伯父が「未成年後見人」に選任されていました。

しかしこの男は男児の母親の生命保険金が支払われると2006年に男児の口座などから保険金を引出し、その子を連れて行方をくらませました。全国でギャンブルをするなどして保険金を使っていたとみられています。

その最中に赤ちゃんポストの存在を知り、熊本まで赴き当時3歳の男児を預けてしまったのです。その後も1人でギャンブルを続け、お金を使い果たした後、2011年の5月に警察署に出頭し業務上横領罪で2013年に実刑判決を受けています。

このようにギャンブルが背景にある事件は上げて行けばきりがありません。

「自分は大丈夫」「自分の家族がそんなことするわけがない」などと考えず、ギャンブル依存症に関わる全ての人はこの現実をしっかりと受け止め、このような惨事が未来に起きないよう、回復を目指していきましょう。