ギャンブル依存症のスクリーニングテスト
ギャンブル依存症かどうかの診断基準には、主に2つの手法が用いられます。
アメリカ精神医学会によって出版されている「精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)」とニューヨークのサウス・オークス財団が1980年代にギャンブル依存症の診断の為に開発した「サウス・オークス・ギャンブリング・スクリーン(SOGS)」です。
スクリーニングテストの結果だけでギャンブル依存症の有無が分かると勘違いしている人もいますが、それは間違いです。
DSMは元来、医師が患者さんと対面しながらチェックを行うものですので、自己評価だけで軽々と判断しないようにしましょう。
また、SOGSについては5点以上の人はギャンブルに対するのめり込みが強いのですが、そこには単にギャンブル自体が好きでのめり込んでいるだけで精神的な問題を深刻化させる自己矛盾がない人も含まれます。
実際に、SOGSが5点以上の人の中でDSMに基づく意思の診断の結果、ギャンブル依存症という診断がつく人は75%にとどまることが調査で分かっており、残りの25%は間違って評価されている可能性が高いのです。
自己判断はあくまでも参考程度にとどめておき、気になる方は専門家の診断を受けることをお勧めします。
ギャンブル依存症の診断基準(DSM-5)全9問
- 賭博のことを考えることが多い(強いギャンブル欲求)
- 興奮を得るため掛け金の額を増やす(耐性)
- 賭博を減らす努力をして失敗したことがある(調節障害)
- 賭博を減らすと不安、落ち着かない(離脱症状)
- 不安な気分の解消手段としての賭博(逃避)
- 賭博の損失をとばくで取り戻そうとする(深追い)
- 賭博へののめり込みを隠すために嘘を吐く(罪悪感)
- 賭博の為に大切な人間関係、仕事などが危うくなる(人間関係のヒビ)
- 絶望的経済状況を救うために他人に借金を頼む(経済的問題)
※ 重症度:思い当たる項目が4~5で軽症、6~7で中等症、8~9で重症
サウス・オークス・ギャンブリング・スクリーン(SOGS)全12問
- ギャンブルに負けた時に、負けを取り戻そうと別の日にギャンブルをしますか?
a.) しない b.) 2回に1回する C.) たいていする d.) いつもそうする - ギャンブルで負けたときでも、勝っていると嘘を吐いたことがありますか?
a.) しない b.) 半分はそうする C.) たいていする - ギャンブルのために、なにか問題が生じたことがありますか?
a.) ない b.) 以前はあったが、今はない C.) ある - 自分がしようと思った以上にギャンブルにはまったことがありますか?
a.) ある b.) ない - ギャンブルの為に人から非難を受けたことがありますか?
a.) ある b.) ない - 自分のギャンブル癖やその結果生じた事柄に対して悪いなと感じたことがありますか?
a.) ある b.) ない - ギャンブルをやめようと思っても、不可能だと感じたことがありますか?
a.) ある b.) ない - ギャンブルの証拠になるような券などを家族の目に触れないよう隠したことがありますか?
a.) ある b.) ない - ギャンブルに使うお金に関して、家族と口論になったことがありますか?
a.) ある b.) ない - 借りたお金をギャンブルに使ってしまい、返せなくなったことがありますか?
a.) ある b.) ない - ギャンブルのために仕事をさぼったことがありますか?
a.) ある b.) ない - ギャンブルに使うお金をどのようにして作りますか?当てはまるもの全てをチェックしてください。
a.) 生活費を削って b.) 配偶者や両親の金から c.) 親戚・知人から d.) 銀行から e.) 消費者金融から f.) 定期預金の解約 g.) 保険の解約 h.) 家財を売って i.) その他
※ 質問1:c,d 質問2~3:b,c 質問4~11:aが各1点、質問12はチェックした数の合計。3~4点が問題あるギャンブル、5点以上はギャンブル依存症の疑い。