福岡県のとある精神科医の方が行った実態調査では、診療に訪れたギャンブル依存症患者が平均してギャンブルに使った金額は1293万円で、平均的な負債額は595万円という結果が出たそうです。
この595万円という数値は、自己破産してその時点での借金がなくなっている人も含めて割り出しているもので、返済済みや帳消しになった借金を含めると実際の平均値は1000万円を超えると考えられます。
最近でこそ自己破産のケースも増えてきましたが、借りたお金を返さなければならないという意識は日本人は元来強いと言えます。
戦国時代に山内一豊の妻がヘソクリで名馬を買った逸話に代表されるように、困った時に奥さんが助けることを美徳ともされてきました。
普段は亭主関白のような家庭でも、妻がお金の問題を解決すれば、その一時だけでもパワーバランスが妻側に傾いたり、夫が一時的に優しくなることもあります。それが妻にとって快感になり、夫を助けたいという思いが強くなります。そこで共依存してしまうケースも多いのです。
しかし、その助けが事態を深刻化させ回復を遅らせているのです。
ギャンブル依存症で大切なのは、「いかに早く問題に気付かせ、治療を受ける気にさせるか」なのです。
家族が借金を肩代わりすることは、回復を大幅に遅らせてしまい状況を悪化させてしまうのです。
父親が息子がギャンブルで作った借金を返すために3000万円を借金したという実例もあります。こうした人は世間体を気にする感覚が特に強く、病気を否定して問題を隠したがる傾向にあります。学校の教師や警察官、公務員、銀行員、政治家など「公的」なイメージをもつ職業に就いている人なら、なおさらかもしれません。自分の家族がギャンブル依存症などという診断をくだされて、それが世間に知られてしまえば、職を失ってしまうのではないかと恐れるのです。
しかし、時には子供を千尋の谷へ突き落す決断も大切です。子供が自己破産するのを覚悟してでも借金返済は助けてはいけません。
とにかく借金を繰り返さないようにするのが重要なのです。
「借金を肩代わりするのはタブー」
しっかり覚えておいてください。
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